ビデキンちゃんが行く ~InterBEE2015・その他Vol.2~
4K8Kや最近のトレンドを中心にしてきましたが、最後となる今回はジャンルにとらわれずに行きましょう。
まずは注目のローランドさんのスイッチャーです。コンパクトながらHDMIを4つ入力できてワイプパターンなんかも30種類も搭載しています。
HDのモニターはすでに各社から発売されていますが、4K対応のモニターのほか、色域やダイナミックレンジの広いいわゆるHDR対応の機種が出てきました。HDまではSD時代と同じ色域だったqんですが、4Kではそれより広い色域が求められています。民生機のテレビモニターも色域の広いことを売りにした製品も出始めています。
バッテリーはソニーのVマウントがデファクトスタンダードとなったようです。以前は北米はAnton/Bauer、ヨーロッパはPAGマウントが多かったんですが、今ではAnton/BauerもPAGもVマウントのバッテリーをラインナップしています。ただ、最近では小型ビデオカメラが多くなってきて、サードパーティ製の対応バッテリーが出てきています。単なるカメラメーカー互換バッテリーというだけでなくUSBコネクターを装備したりしてそれぞれ工夫が凝らされているようです。
昨年までは4Kといえばデジタルシネマ系がほとんどでしたが今年になって一気にUHD系の製品が多くなりました。とはいえ、現行HDもありで来年は更に活況を迎えそうです。まだまだ沢山ご紹介したい製品もあるのですが、ビデキンちゃんInterBEEレポートはひとまず今回で最後とさせていただきます。これからも業界の情報や製品情報などこのコーナーで発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
ビデキンちゃんが行く ~InterBEE2015・その他Vol.1~
4Kとなるとカメラ以外にも色々なものが対応してきます。ビデオレコーダーなんかもその一つですね。ちょっと前までは4Kのレコーダーってラックに入っていて何十キロもあったんですが、カメラに装着できる小型な製品が各社から出ています。
カメラで4K記録できるわけですから当然ではありますが、やはり高速なメモリーの出現が大きいと思います。ただ、現状ではこうした高速なメモリーは高価なので、本体のレコーダーだけでなく記録媒体も購入時には考慮が必要でしょう。また、カメラと接続するインターフェースもHDMIやSDIがあり、更にSDIは12Gなら1本で済みますがそうじゃないと4本接続しなくてはなりません。この辺り接続するカメラのインターフェースも含めて考える必要がありそうです。また、4Kレコーダーといっても60P記録への対応や圧縮コーデック、更には編集システムも視野に入れなくてはならないでしょうね。
さて、今回のInterBEEでAJAさんが新しいレコーダーを発表しました。ATOMOSさんも新製品がありますね。幾つか見てみましょう。
最近ではこうした記録だけでなく無線伝送の機材も増えてきました。特に携帯のキャリアを複数使うことで帯域を確保しつつ途切れのない伝送を可能としたものやクラウドサービスと組み合わせたシステム等があります。すでにテレビ局の報道などで使われているようですが、かといってすごく特殊なものというほどでもなく、レンタルで借りることもできるものもあります。遅延は避けて通れない問題ですが、だいぶ遅延も少なくなり画質的にも安定性などの面でも実用期に入ったと言えそうです。
メディアに記録するというワークフローが無くなることはないと思いますが、こうした無線伝送やクラウドサービスが進化するとカメラに記録することなく、いきなりクラウドベースのサーバーへ画像を伝送するようなことになるのでしょうか。すでにスマホなどではこうした動きがありますが、やはり画質的な面や伝送の安定性などがビデオ制作ではネックになると思います。現状HDまでならすでに放送で使われていることからかなり満足のいくところまで来ているようですが、4Kはとなるとまだ当分先の話になりそうですね。
ビデキンちゃんが行く ~InterBEE2015・三脚編~
カメラサポート関係では、三脚の新製品はあまりなく平和さんがRSをモデルチェンジしたのが新しいニュースです。最近は中国や台湾、韓国製などの三脚も質が良くなってきて老舗の三脚メーカーも差別化が難しい時代になってきたようです。また、以前流行ったゲージや小型ビデオカメラやデジタル一眼をショルダータイプにするといった製品も一時期の勢いはなくなって来ています。
最近の流れとしては、レールやドローン、ジンバルといった製品で、三脚でどっしり構えて撮影するというより動きや機動性を重視した方向へ向かっているようです。カメラが小型軽量になったことも関係があると思いますが、カメラアングルの自由度や手持ち撮影時での安定性などが求められてきた結果でもあると思います。カメラの性能が良くなって誰でもがそれなりに高画質な映像を撮影できるようになったいま、カメラアングルやカメラワークで勝負する時代になったということでしょうか。
平和精機工業さんは最近LIBEC ALLEXに力を入れていて、今回のRSシリーズのモデルチェンジもその一環と言えそうです。RSヘッドをビデオ・フォト両対応の「デュアルヘッド」化することで、ALLEXのスライダーと組み合わせて利用することが可能になったんです。要するにボールベースとフラットベース両対応になったんです。これにより、耐荷重が3kgのALLEXがその上のクラスのカメラ重量にも利用できるようになりました。平和さんは三脚をベースにしてスライダーやジブアームなど総合的にシステムとしてまとめていく方向のようです。
マンフロットさんも11月からスライダーの発売を始めました。60cmと100cmの2種類があり、スライダー単体とヘッドの組み合わせでというラインナップです。平和さんと違ってオプション的な扱いでシステマチックな位置づけではないようです。ほかにもスライダーを扱っているメーカーもありましたので、いくつか見てみましょう。
ドローンで有名なDJIさんは、その派生で開発したジンバルを手持ち撮影用にリファインしたRonin-Mや手持ち撮影用としてOsmoを新製品として出展していました。こうした手持ちで撮影するカメラサポート以外にも数は少なくなりましたが、ステディカムやショルダータイプにして撮影するためのゲージなども健在です。
最近のトレンドと思われるカメラスタビライザー中心に見てきましたが、いかがでしたでしょうか。カメラは不動という考え方から自由に動きまわるものに大きく変わって来たように思います。それもステディカムのようにバネとかスプリングといった機械的なものから電子制御のジンバルへとスタビライザーの機構も進化してきたようです。昔のカメラマンさんが体を張って技として体得してきたようなことがいとも簡単に実現できるようになったということなんでしょうか。
ビデキンちゃんが行く ~InterBEE2015・オーディオ編~
カメラが変わるとそれに付随して収録関係のオーディオ機材も変わって来るようです。今では竿マイクとして使われているMKH-416が昔はカメラマイクとして使われていたそうですが、長さが25cmもあるマイクですから現在の小型カメラにはマッチしません。そんな昔からあるマイクが今でもメーカーが作っていて需要があるというあたり、日進月歩のビデオとは根本的になにか違うような気がします。
マイクはダイアフラムに新素材を採用したり超小型な製品があったり、結構新製品があるのですが、ビデオ系だとアツデンさんが超指向性マイクをDPAがインタビューマイクなどを出してました。
ビデオより先にハイレゾブームになったオーディオレコーダーは、だいぶ個性的な製品がでてきました。従来4chとかハイビットレートの記録はメモリーのスピードもあって難しかったようですが、最近ではビデオ記録もできる機種も出てきています。ビデオカメラなのかオーディオレコーダーなのか迷うところですが、ビデオはあまり高画質を追求していないようで、その替り4chとかハイレゾでオーディオ収録できるようになっています。こうしたレコーダーではマイク内蔵型が主流でしたが、プラクイン式に交換できるようになってきたようです。
放送局用のA型ワイヤレスの周波数移行もあって、2019年4月1日以降は使用できなくなります。それに付随してB型のワイヤレスもモデルチャンジしたり、デジタル化したりで、各社から新製品が出てきています。いわゆるA型B型以外にもGHz帯を使用したワイヤレスマイクもありますが、遅延とかWi-Fiなどとの干渉などちょっと使って見ないとわからないところがあります。手軽に使えてデジタルならではの便利機能とか魅力的なんですけどね。
ビデキンちゃんが行く ~InterBEE2015・レンズ編~
カメラが4K(UHD)になるとレンズも対応したものが必要になってくるようで、キヤノンさんやフジノンさんから対応したレンズが出展されていました。ただ、カメラメーカーの中にはB4マウントなので従来のレンズが使えます。なんていい方をしているメーカーもあります。それでは、4K対応レンズの多いキヤノンさんから見てみましょう。
キヤノンさんは箱型のレンズ2本とハンディカメラ用のレンズが2本の合計4本が4K対応となっています。箱型のはUJ90×9B ISSとUJ86×9.3B ISSでいずれも高倍率のフィールドズームレンズとなってます。ゴルフとか野球、コンサートなんかで使われることを想定したレンズです。ハンディのはCJ12e×4.3B IRSE S / IASE SとCJ20e×7.8Bでショートズームと高倍率のレンズですね。
さて、フジノンさんはというと4K中継用箱型ズームレンズUA80×9BEとハンディカメラ用の高倍率ズームレンズUA22×8BEが4K対応レンズとして出品されていました。こちらも高倍率ズームレンズなので、標準的に使うレンズというよりスポーツ中継とか音楽イベント用途といっていいと思います。スタジオでは20倍クラスがハンディでは17倍クラスが一般的に使われていますが、フジノンさんもキヤノンさんもこのゾーンの4Kレンズを今のところ出していません。現行のHD用のレンズでも4Kに対応できる性能をもっているということのようですね。
デジタルシネマでも新たなレンズが登場していますが、キヤノンさんのCINE-SERVレンズのようにショルダータイプのカメラ用レンズの同じグリップに対応しているものが出てきたほか、アナモフィックのズームレンズがあります。デジタルシネマのレンズといえば単焦点レンズが一般的でしたが、アナモフィックレンズでもズームタイプが出てきたというのは新しい流れを感じさせますね。もちろん撮影クルーやテレビドラマの撮影をデジタルシネマカメラで撮影することが多くなってきたという要因もあるでしょう。レンズとしてはZEISSやAngenieuxなどが有名なので、ナックさんのブースで確認してみましょう。
まずは、angenieuxのOptimoシリーズです。このシリーズはHDTVやUHD、インディペンデント映画用に発売されたもので、現在Optimo Style 16-40mmとOptimo Style 30-76mm、Optimo Style 25-250mmの3本があります。Optimo Style 16-40mmとOptimo Style 30-76mmは専用サーボモーターオプション対応で、キヤノンさんやフジノンさんのビデオ用フォーカス/ズームリモートが使用可能となっているほか、1.4倍と2倍のリアコンバーターが用意されています。スーパー35センサーサイズのカメラに対応していて、マウントはPLマウントが標準ですが、パナビジョンやニコンFマウントとキヤノンEFマウントが用意されるようです。このシリーズにはアナモフィックレンズが2本ラインナップされていますが、いずれも最近発売になったものです。
ビデキンちゃんが行く ~InterBEE2015・カメラ編Vol.2~
4Kカメラはまだまだたくさんあります。といっても一般的にはあまりなじみのない中継とかスタジオで使われるやつですが。4Kの放送は日本だけでなくって海外でも4K放送を表明しているところもありますので、GVG(グラスバレー)さんは2年ほど前から4K対応のカメラをNABなどで出展していて、今回のInterBEEでもLDX86というカメラを新製品として出してました。
LDX86は4Kといってもセンサーは4Kじゃないんですね。搭載しているXensium-FTイメージセンサーは、高感度、ハイダイナミックレンジ。HDR対応だそうです。あと、LDX86はGV-eLicenseプログラムにより、必要なタイミングで必要な期間のみHDから6倍速や4Kへのアップグレードが可能だそうです。
ソフトウェアでアップグレードするカメラはソニーにもありました。HDC-4300なんですが、このカメラのセンサーは4Kで、4KとHDスイッチャブルのカメラにソフトをインストールすると最大8倍速のHDスロー撮影ができるようになるというものです。ソニーさんもグラスバレーさんもハードウェア的にはもともともっている機能をソフトウェアで制限しているような印象を受けるんですが、どうなんでしょうか。
一方パナソニックさんの4KカメラAK-UC3000はさらにユニークです。1インチ相当の単坂センサーなのに2/3インチのB4マウントレンズが使えるんです。光学変換アダプターをカメラに内蔵したようなイメージでしょうか。ただ、価格的には同時期に発売のHDカメラAK-HC5000より少し安いそうです。この2つのカメラは双子の兄弟みたいに外観はそっくりです。使えるカメラコントローラーなども共通のものが使えるそうです。
こうしたスタジオカメラといえば、池上通信機さんや日立国際さんを忘れてはいけませんね。2社ともにNHKと共同開発の8Kカメラも出展していました。8K放送を表明した国はまだないようですが、日本では2018年からBSを使った実用放送を開始することになっていますので、カメラを始めとした8K対応機材がそろそろ必要になってくるころです。
4K8Kのスタジオカメラって各社各様なんですね。勉強になりました。古いことをよく知っているおじ様がいってましたが、その昔主に感度を稼ぐため4坂式(当時は撮像管の時代なので、4管式ですね)のスタジオカメラがあったそうです。あと、CCDカメラの創成期には3坂式でデュアルグリーンのハンディカメラがNECから出ていて(SP-3)結構放送局とかで使われていたそうです。技術の進歩っていってもこうした形で繰り返しがあるんですね。当時と違って精度とか格段に違いがあるとは思いますが。さて、4K8Kのカメラはテレビ系だけでなくってデジタルシネマ系のカメラもあります。テレビ系の4KはUHD(3840×2160)、8KはSHV(7680×4320)、一方デジタルシネマ系は4096×2160と8192×4320だったりするのですが、制作側がテレビ系か映画系かで使うカメラが違ったりするので、ドラマやCMなどでは、あまり明確な線引きはないようです。
この分野ではソニーさんやパナソニックさん、キヤノンさんなんかもカメラを出していますが、ここではパイオニアともいえるRED Digital Cinemaさんと老舗のARRIさんを取り上げてみましょう。REDはNABで出ていた新製品のWEAPON、ARRIはALEXA SXTが新製品です。
4K8Kカメラはほかにもアストロデザインがありますね、特殊なところでは朋栄の4K対応ハイスピードカメラや池上通信機、フローベルやNECの高感度カメラなども。いずれにしても4K8Kの放送が始まると単に撮影できるというだけでなくスタジオや中継用、さらには特殊な撮影にも対応していかなくてはなりません。今後当分の間は色んなメーカーから様々なユニークなカメラが登場しそうですね。
ビデキンちゃんが行く ~InterBEE2015・カメラ編Vol.1~
今回はあらゆる業務用ビデオ機材が見られるInterBEEが開催されている千葉にある幕張メッセにやってきました。最寄りの駅はJRの海浜幕張なんですが、会場までちょっと歩かなければなりません。初日は小雨が降っていて傘をさして会場まで行かなくてはなりませんでした。地下道とかアーケードがあればいいんですけどね。さて、今年は4KとかHDRとか色々興味深い機材がありそうで、ワクワクしますね。天気が悪いなんて言っている場合じゃありません。
早速会場に入ってみましょう。やはり、最も気になるのはカメラです。すでにキヤノンさんやソニーさん、パナソニックさんなどビデキンちゃんのコーナーでもいくつか紹介していますが、ほかにもなにかサプライズがあるかもしれませんね。
まずは、ブラックマジックさんです。NABでたくさんのカメラを発表してましたがやはりあの小さなカメラに注目したいですね。Micro Cinema CameraとMicro Studio Camera 4Kの2機種です。いずれも10万円台でMFTレンズマウントなので、スチルカメラ用のレンズが選び放題です。価格的にもリーズナブルですし、広角から望遠までビデオ系のレンズでは得難い画角のレンズも選択できます。メインのカメラというよりサブカメラとして1台もっておきたいカメラですね。ただし、モニターが搭載されていませんので、別途なにかしら(レコーダーモニターとか)手当てが必要です。あと、URSA Mini。レンズマウントがEFとPLとセンサー解像度がDCIとUHDの違いで4機種あります。一番価格の安いURSA Mini 4K EFは30万円台なので、かなりお買い得感の高いカメラと言えそうですね。
つぎはキヤノンさんです。キヤノンさんは2015年9月に発売になったEOS C300 Mark IIと4月に発売になったEOS 8000D、2015年12月発売のXA30/35が新製品と言えます。あともう一つ12月発売のME20F-SHがありました。超高感度の特殊なカメラですが、会場ではショルダータイプのカメラとして結構目立つ展示をしていました。カメラ本体はサイコロ型で計測とか監視用のカメラのようなデザインなんですが、こういう使い方もあるんですね。
XA30/35はディレクターカメラとかバラエティー番組、ドキュメンタリー、イベントでの撮影をコンセプトとしていて、一見した作りというかデザインはXA20/25と変わりません。ただ、センサーが新しくなって感度が良くなったのとピクチャー設定に「ルック」を追加し、従来の「スタンダード」に加え、「高輝度優先」と「Wide DR」が搭載されました。これにより、高輝度部分の描写性が良くなりました。
EOS C300 Mark IIも新しいセンサーが搭載されて、デュアルピクセルCMOS AFや4K内部記録、RAW出力といった新たな機能が追加されています。XF-AVCコーデックでカメラ本体に4K収録できるようになったのはうれしいですね。
ソニーさんは、先般セミナーレポートで紹介したメモリーカムコーダーPXW-FS5のほか、XDCAMメモリーカムコーダーPXW-X400といったところでしょうか。小型ビデオカメラはすでにHD、4Kともに一通りラインナップが完結してしまって、今は中継とかスタジオで使うカメラを中心にしているようです。
パナソニックさんはやはりあの赤いカメラAG-DVX200ですね。このカメラも発売前の勉強会でレポートしていますので、そちらも合わせて御覧いただければと思います。4K(UHD)/60p撮影できるカメラとしてはかなりリーズナブルだとは思いますが、ちょっとこのカメラ癖があるんです。撮影モードによって画角が変わるんですね。元々アスペクト比4:3の4/3型のセンサーを搭載していているんで、上下をカットした中央部分の16:9のエリアを撮影に使うんですが、左右目いっぱい使うのは1920×1080のFHDモード時で、3840×2160のUHD50/59.94fpsのUHDモードではセンサーの真ん中部分だけを使うようになってます。なので、FHDの時は最広角時28mm相当で撮影できますがUHDモード時は37.2mm相当の画角になるんです。ほかのモードの場合も見てみましょう。同様にUHD30fpsで28mm、4K24fps時29.5mm、バリアブルフレームレートの場合は設定によって画角もバリアブルに変化します。なので、4K/60p撮影の場合ワイコンが必要になるかもしれませんね。もう一つ新製品のカメラがありました。HDのショルダータイプのカメラAJ-PX380Gです。このカメラは放送局の報道などで使うことを主な目的として作られていて、通信カードやワイヤレスモジュールを装着することで、撮影画像をネットを介して送ることができます。もちろん周辺機器としてベースステーションやカメコンなんかも用意されています。
JVCケンウッドさんは、4KメモリーカードカメラレコーダーGY-LS300CHや4KメモリーカードカメラレコーダーGY-HM200、分離型 4KカメラシステムGW-SP100とカメラ関係の新製品はみんな4Kでした。ほかにも参考出品として電動雲台にのったカメラもありましたが、これも4K対応です。このカメラはSuper 35mmイメージセンサーを搭載したもので、同社のグループ会社であるAltaSens Incと英Bradley社との共同開発だそうです。監視カメラのように見えますがスタジオや舞台撮影、野外撮影ように開発したそうです。GY-LS300CHはすでにレポートしていますので、詳細はそちらをご覧ください。コンセプト的に面白いと思ったのは分離型のGW-SP100ですね。HDでは以前ソニーやパナソニックから小型分離型のカメラを販売していましたが、そうした用途とはちょっと違うようです。レコーダー部分に7型のLCDモニターが搭載されています。コントローラーもあってそっちからも操作できるようになっています。仕込みカメラ的な使い方以外に医用、産業用の組込型カメラとして開発されたようです。
ビデキンちゃんが行く ~InterBEE2015・イントロ~
4Kなんてまだ先の話って思ってましたが今年の3月からスカパーが放送を始めました。ネット系ではそれより前の昨年10月からひかりTVが4K配信をはじめ、J:COMやNETELIXなんかも4K配信をしています。そしていよいよ来年からBSによる4K放送が始まります。すでに巷には4Kテレビが各社から発売されていて、特別高価なAV機器のイメージではなくなっています。4KのBlu-ray規格も決まり、年内から年明けにかけて各社から発売されるようです。すでにいくつかのタイトルも発売され、本格的な4K放送の時代が到来したといえるでしょう。放送局も4K放送に向けて新たなスタジオや中継車などの新設も進んでいます。今年のInterBEEはこうした背景から4Kに関連した機材が多数出展されていて正に今が旬といえそうです。それでは、早速InterBEE会場へいってビデオ業界の今を堪能することにしましょう。
ビデキンちゃんが行く
XDCAMメモリーカムコーダーPXW-FS5:Grab and Shootセミナー
~PXW-FS5&ソニー大判センサー製品タッチ&トライイベント~
発売前のソニーPXW-FS5が見られる・触れるというので東京・銀座のソニービルで開催されたGrab and Shootへ行ってきました。PXW-FS5を実際に使ったカメラマンさんのお話もお伺いできるとか。
4Kのカメラはソニーさん以外にも既にいくつか発売されていますが、PXW-FS5は価格的にも60万円台でEマウントを採用しているので、ソニーのデジタル一眼のレンズが使えるほか、記録メディアにSDメモリーカードを採用しているので、ランニングコストも良さそうです。画質的にも記録コーデックがXAVCなので期待できそうです。それでは早速8階の会場に行ってみましょう。
PXW-FS5だけではなく、F55やFS7、デジタル一眼のα7なんかもありました。最新の機材が並んでいると目移りしちゃいますね。交換レンズのほかライトやワイヤレスレシーバーといった周辺機器も準備されていました。ちなみにこのセミナー10月15、16日の午前午後の2回開催され、毎回100人の定員になっているんです。なので、会場両側に並べられたカメラもゆっくり見ることができます。説明員のスタッフの方も沢山いらっしゃいましたので、色々とお話をお伺いすることができました。
ちょっと見ほかのカメラと大きな違いがないように見えますが、よく見るとねじ穴がボディの上部にいくつもあいていて色々なアクセサリーを取り付けることができるようになっています。LCDモニターも取り外せるようになっていてボディに空いているネジ穴を使って色々なところに取り付けることができるようになっています。
ハンドルやグリップなんかも取り外し可能です。グリップは手にフィットする形状になっていて、ホールディングの感触はとっても良く、グリップを回転させることができるようになっているので、撮影アングルを選びません。
レンズは18-105mm F4(SELP18105G)が標準レンズとなっていますがデジタル一眼αシリーズ用のEマウントを採用しているので、各種交換レンズが使えます。デジタルシネマ的に使うのであれば最近発売になったDistagon T* FE 35mm F1.4 ZAなんかは、被写界深度の浅い撮影が可能なのでピッタリなのではないでしょうか。ワイドが必要な撮影ならばE 10-18mm F4 OSSやフィッシュアイコンバーターもありますので、レンズの選択の幅が広いというのもいいですね。
PXW-FS5は電子式可変NDフィルターを搭載していることも特徴となっています。なので、被写界深度を決め打ちして撮影できます。以前シネマ系のカメラマンさんから聞いた話ですが、現場ではF値を決めて撮影するのが一般的で光量の調節はNDフィルターでやるんですね。ビデオ的には明るすぎて絞り切れないからNDフィルターというイメージですが画作りに対する考え方が違うんですね。明るさが変わるたびにNDフィルターを差し替えなくても可変NDならばカメラ側で簡単にセットできます。こうなるとオートアイリスとして可変NDを使いたくなりますが、現状では対応していないそうで、将来的にファームアップで対応してくれるとありがたいですね。
PXW-FS5はフルHD画質で120fps/240fps撮影に対応していて、最大10倍のスーパースローモーション機能を搭載しています。セミナーのデモリールでは、BMXフリースタイルというかバイク(自転車)によるエクストリームスポーツの映像を披露していましたが、スケートボード場を自転車で走り回るシーンをバイクで並走して撮影したり自転車が飛び上がるシーンなど迫力のある映像でした。カメラが軽くて取り回しがしやすいということもあるんでしょうが、こうしたスポーツものではスローモーション機能は欠かせない映像表現ですね。
電子接点を持つマルチインターフェースシュー(MIシュー)により、ライトやワイヤレス受信機をケーブルレスで接続できます。RECトリガーに連動してライトの点灯が可能なほか、ワイヤレス受信機には電源の供給がカメラ側から行えるようになっています。
今回ゆっくりとカメラをいじれたので、メニューも見てみましょう。メニューボタンを押してジョグダイアルで操作というソニーのカメラに共通した操作性です。
カメラ自体の基準感度はISO3200ですが、それより高くも低くも設定でき、カメラのLHスイッチにアサインできるようになっています。
出力は3G-SDIとHDMIに対応しており、4K時にはHDにダウンコンして出力できます。3G-SDIからはダウンコンしたHD、HDMIからは4Kの出力が可能なので、別途レコーダーを接続しての4K収録もできますね。将来的にはSDIからRAW出力にも対応するそうです。
録画フォーマットはHDに関してはフルに対応していますが、4Kは24Pと30Pの2つで60Pや120Pには対応していません。記録したクリップはHDモードの時には4Kの再生はできないのでHDと4Kを混在した撮影をする場合は注意が必要です。
S-Logガンマ、S-Gamut色域に対応していてソニーが定義するS-Gamut、S-Gamut3、S-Gamut3.Cineカラースペースにも対応しており、シネマ色域以上の領域をカバーした設定が可能です。ただし、2020ではないです。
2つのメモリースロットを装備していて同じフォーマットで同時記録、リレー記録に対応可能。バックアップ記録もできて片方は撮りっぱなしで片方はRECトリガーに連動した収録もできますので長時間記録に便利ですね。ちなみにスロットの片方はメモリーステック兼用スロットになっています。
シビアなフォーカス合わせには拡大表示が欠かせませんが×4倍や×8倍表示が設定できます。
スマートフォンによるリモートの設定です。あらかじめスマートフォンにモバイルアプリケーションContent Browser Mobile(無料)をインストールしておきます。これによりカメラ映像の確認や録画スタート・ストップなどモバイル端末からのカメラ操作ができるようになります。有線LANも装備していてストリーミングやファイル転送にも対応可能です。ネット配信とかに便利かと思います。
Content Browser Mobileをインストールしたスマホの画面表示です。縦と横では若干レイアウトが違うんですね。
Content BrowserやCatalyst Browseにより、収録した素材のメタデータの確認、編集のほかトランスコード機能やファイルインジェスト、メディアへのエクスポートなどにも対応しています。
会場ではMac版とWindows版が並んでいました。
ソニーさんはこの価格帯のカメラをいくつか発売していてそれぞれに特徴はあるんですが悩んじゃいますよね。どのように使うのかや手持ちのレンズや周辺機器などユーザーによって様々だと思います。お店では色々ご相談に乗れることもあるかと思いますので、お声がけください。
2015年11月発売予定となっていますが、お店に入荷しましたらご連絡しますね。
11月13日(金)11:00~17:00 大阪日本橋店にてお披露目会開催予定ですので、ぜひご来店ください。
ビデキンちゃんが行く ~DJI OSMO(オズモ)編~
ドローンで有名なDJIさんからスタビライザー付き小型4Kカメラが10月に発売されます。評価機版を少しだけお借りできたので早速試してみたいと思います!(製品版とは異なる場合がございますが悪しからず)
DJIさんといえばドローンというイメージが強いですが、RONINやRONIN-M等の3軸ジンバルをご使用いただいている方も多いかもしれません。ただ今までの大型カメラや一眼レフなどを乗せるとどうしても重くなってしまいます。
しかしこのOSMOはカメラが付いた状態で500グラム程度。iPhoneやアンドロイドを専用のホルダーに取り付けても1kg以下と大変軽量です。
まずは開封してみましょう。
箱を開けるとギターケースのような形のケースが!
ケースはジッパー式になっており、中敷もベロア調で高級感がありますね。付属品にはケース用のショルダーベルトと本体につける携帯ストラップのようなもの。バッテリーとバッテリーチャージャー、レンズキャップとUVフィルター。モバイルデバイスホルダーとはずした際にキャップが同梱されています。(ケースの中にバッテリーチャージャーが入らなかったのが残念)
グリップ部は滑り止めのあるゴム状でグリップ感もばっちり。女性でも無理なく握れるサイズです。
底を開けるとバッテリーが収納できるようになっています。付属のバッテリーでだいたい1時間くらい収録できました。また1時間程度で付属のチャージャーを使えばフル充電できます。別売りオプション¥4,800(税込)にて予備バッテリーも購入できるのでもう一本あると安心ですね。
ジンバル部に3箇所のロックがあり、1箇所でもロックしたまま起動すると警告音がなり続けます。ロックは鍵のマークを目印に2箇所ひねるのと、1箇所スライドタイプのロックをはずすだけなので非常に簡単。
ジンバル付け根のロックをはずしてしまうとカメラが外れるのでご注意ください。現在DJIさんから出ているX5やX5Rにも対応するとのことですが、Inspire 1に付属していたX5を取り付けようとしたところロックが出来ませんでした。メーカーページによると別売りの専用アダプターが必要らしいです(まもなく発売予定)。
ロックをはずして右側の電源ボタンをONにすると緑色に点灯し起動音と共にモーターの音がします。内蔵マイクや感度のいいマイクだと若干録音してしまいましたので外部マイクは必要かもしれません。
外部マイクの入力端子はミニピンジャックになっておりプラグインパワーには非対応なので、電池式の外部マイクをご使用ください(2015年10月29日修正:プラグインパワー対応しております)。外付けマイクを使う場合には固定する場所がないため、別売りオプションの拡張アーム¥3,400(税込)とマイク照明用マウント¥3,400(税込)を取り付けて固定していただく必要があります。
マイクによってマイクレベルが合わないせいかホワイトノイズが入っていたので、ビデキンちゃんとしては確認できたアツデンさんのSMX-10やSGM-990(ショートのみ)、ワイヤレスの310BTやSONYさんのUWP-D11などをお勧めします!
話が脱線したので本体についてに話をもどします。
起動すると自動でジンバルが動き初期位置にカメラが固定されます。特にセッティングなどは必要ないのでロックだけを解除してしまえばそのまま使えるスピーディ設計ですね。
親指あたりにくる黒いジョイスティックを上下左右に押し込めば任意の方向にカメラを動かすことができます。赤いボタンがRECボタンです。その下にあるのがシャッターボタンです。一回押すと静止画が記録されます。(ただし動画記録中はシャッターボタンがききません)
あとは収録中の映像を確認するためお手持ちのiPhoneやアンドロイドなどで「DJI GO」のアプリをダウンロードするだけ。(アプリの起動にはiPhone5以降の本体でIOS 6.0、アンドロイドは4.3以降のバージョンが必要です。詳しくはメーカーHPを参照)
まずはWi-FiでOSMOを選択します。
次にアプリを起動してハンドルを認識するまでしばし待機。(青色になればOK)
操作画面はこんな感じ。
画面を一回タッチすると四角い黄色の枠が表示されます。取り扱い説明書にも記載がないのですがたぶんフォーカスだと思われます・・・・・・(確認次第追記します)。長押しすると青い丸が表示されその向きにカメラが追尾します。
また握ったときに人差し指あたりにくるトリガーを一回おすとロック。二回クリックすると自動で初期位置に戻る。三回クリックすると自撮りモード。目玉のようにこちら側にぐるっと回るので驚きます。
カメラの設定に関してはフォーカスはオート。ISOとシャッタースピードに関してはマニュアルで設定できます。
あとはパノラマ、マルチショット、インターバル、タイムラプス等の設定もありました。
また画面右端にはAWBがあり、デジカメの設定のように室内や、曇り、蛍光灯などアイコンで簡易設定が可能。
多少のラグはありますが、全てオートに設定していても十分使える範囲でした。
記録はmicroSDカードで容量は64Gまで対応、Class10もしくはUHS-1推奨です。本体に付属しているのは16GBでだいたい30分程度記録可能です。
~ビデキンちゃん的考察~
今まではスタビライザーといえばステディカムのMERLIN等、アナログの3軸ジンバルが主流でした。昨今、電動式の3軸ジンバル式スタビライザーがどんどん新発表され、シェアを伸ばしています。またカメラの小型化もすすみ、3軸ジンバルも小さく手軽で持ち運びのしやすいものへと変化しています。OSMOに関してはカメラとスタビライザーが一体という画期的なものですし。今回OSMOを体験していいて感じたのは、全ての操作が電動、映像の確認やカメラの操作にスマートフォンなどの端末がほぼ必須でWi-Fiという目に見えないものへ移行していることでした。
30分程録画しているときにアプリとの接続が途絶えたり、RECが操作できなかったりということがありました。本体がかなり熱くなっていたので長時間録画には向かないかもしれません。製品版ではないのでこういった症状が発生したのかもしれません。
その点では自分の腕で対応できるアナログタイプもよし。電動式の簡単操作で誰でも今までのスタビライザーとは違った画の4K撮影できるOSMOもよし。さまざまな種類が出揃ってきたなぁという感想です。
発売後デモ機展示予定ですので比較してご確認したい方は是非店頭へお越しください。RONIN-MもMERLINも展示中です。(10月17日現在京都本社にて展示中。移動する場合がありますのでご来店の前にお問い合わせください。)
発売は10月中旬~末予定。現在好評ご予約受付中です。デモ機もそのあたりで展示予定です!
ビデキンちゃんが行く ~Zunow ワイドコンバーター WCX-100&WCX-200~
高解像度と小型・軽量を同時に達成した、新世代の高性能ワイドコンバージョンレンズです。適合ズーム比25倍以上で、ワイド端からテレ端まで澄みわたる画質を実現しました。
ニュース取材やドキュメンタリー番組、音楽イベントやスポーツモノ、バラエティ番組やドラマなんかにも小型ビデオカメラが使われているそうです。以前はメモリーの容量や記録スピードなどの問題もあって、一段下に見られがちでしたが、最近は編集フォーマットで記録できるのは半ば当たり前で、4K撮影に対応した小型ビデオカメラも発売されています。解像度だけでなく、感度なんかもすごく向上していて人が生活している環境ではライトなんかもなくても撮影できるようになってきました。人の生活空間ならばオールラウンドで撮影できそうですが、自分撮りや狭い室内なんかは苦手だったりします。このあたり、みなさんもよくご存知のことと思いますが、ズーム比はすごくても広角側が30mmを切るようなカメラはあまりありません。
WCX-200 | ||||
レンズ | 35mm換算 | 最短撮影距離 | マクロ時最短撮影距離 | |
PXW-X200 | 5.6-95.2mm | 29.3-499mm | 800mm | 50mm(ワイド)-800mm(テレ) |
PMW-200 | 5.8-81.2mm | 31.4-439mm | 800mm | 50mm(ワイド)-735mm(テレ) |
PMW-300K1 | 5.8-81.2mm | 31.4-439mm | 800mm | 50mm(ワイド)-735mm(テレ) |
PMW-EX1 | 5.8-81.2mm | 31.4-439mm | 800mm | 50mm(ワイド)-735mm(テレ) |
PMW-EX1R | 5.8-81.2mm | 31.4-439mm | 800mm | 50mm(ワイド)-735mm(テレ) |
PMW-EX3 | 5.8-81.2mm | 31.4-439mm | 800mm | 50mm(ワイド)-735mm(テレ) |
WCX-100 | ||||
レンズ | 35mm換算 | 最短撮影距離 | マクロ時最短撮影距離 | |
PXW-X160 | 3.7-92.5mm | 26-650mm | 800mm | 10(ワイド)-800mm(テレ) |
AG-AC160A | 3.9-86mm | 28-616mm | 1000mm | 50mm~ |
さらに、最短撮影距離が意外と長くて寄れなかったりで、無敵ともいえる小型ビデオカメラなんですが、ウイークポイントがあるんですね。こういう場合は以前からワイドコンバーターレンズを装着していましたが、以前のようにカメラメーカーが周辺機器として用意しなくなってきて、サードパーティ製の製品の中から選ばざるを得ない状況になってきています。こうしたレンズを選択する上で注意したいのは、ズーム全域で使えないワイドコンバーターレンズがあったり、周辺がケラレれたり、倍率が規格通り出なかったりする製品があることです。業務用ビデオの業界ではワイドコンバーターレンズといえばズーム全域で使えるというのが常識ですが、業界外のメーカーの製品には注意したほうがいいかもしれません。おおむね、対応カメラが明記されている製品は安心ですが、装着レンズのフィルター径しか記述がない製品は、実際に装着してみないとわからないことが多いです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回ZunowのワイドコンバーターWCX-100&WCX-200がお店に来ましたので、こうしたことを踏まえたうえでチェックしてみましょう。いずれも光学系は同じで装着方式が異なるだけです。WCX-100はレンズのフィルターネジで装着するタイプでステップダウンリングで82mmまたは72mm径のレンズに装着することが可能です。
WCX-200はバヨネットに装着になっていて、ソニーの同系シリーズに対応します。いずれのレンズにも角形ラバーフードとポーチがオプションで用意されています。倍率は0.8倍で、25倍以上のズーム比のレンズにも対応とうたっていますので、25倍ズームのPXW-X160に装着してズーム全域での画質などを見てみました。
ちなみにPXW-X160はワイド端26mm(35mmフィルムカメラ換算)なので広角レンズに更にワイドコンバーターレンズを装着する感じとなり、ワイドコンバーターレンズとしては結構辛い組み合わせだと思います。35mmフィルムカメラ換算で20mmほどなので、画像的にもかなりのワイド感がありますね。周辺のケラレも見当たりません。
ワイドコンバーターレンズを装着するとテレ側画質が悪くなることがありますが、ほとんど差はありませんでした。テレ側が500mm程度あれば充分で、それよりワイドがほしい方なら装着したまま常用もアリだと思います。外観的にも一体感があってとって付けたような違和感も殆ど無くていい感じです。最短撮影距離は、WCX-100を装着するとマニュアルで50cmほどで、ワイド端ならもう少し寄っても大丈夫ですね。絞りによって被写界深度が違ってくるので明確な数字でなくて申し訳ありません。
ステップダウンリングが付属していてこれを外すと82mm径のレンズにも装着できます。肩載せタイプのカメラのレンズはたいてい82mmなので、こうしたレンズにも装着できます。
お店にあったXT17x4.5BRM-K14では問題ありませんでしたが、レンズによってはケラれることもあるかもしれません。カメラを持ち込んで実際に試してみたい方、近日中に展示予定ですので事前に各店舗にご確認頂ければ対応させていただきますので、お声がけください。
取り回しも良くて機動力のある小型ビデオカメラですが、オールラウンドで使いこなすにはこうしたアイテムが必須です。どうしても寄って撮影したいとかビデオカメラでは不可能な広角撮影のためだけに使いづらいけどデジタル一眼で撮影するというカメラマンさんもいらっしゃいますが、WCX-100はそうした撮影の強い味方になってくれると思います。
ビデキンちゃんが行く ~DL-5RB編~
LIBECさんより新発売になった、ザハトラーさん、Vintenさんの三脚に対応したドリーのDL-5RBをいち早くレビューしたいと思います。
前モデルからの変更点
[1] 中央部にキャリー用のハンドルが付き、機動性がUP。
[2] ラバーの取り付け位置を変更することによりヴィンテン、ザハトラーのビデオ三脚が装着可能に!
まずは[1]について、
前モデルであるDL-5Bをすでにお持ちの方はたくさんいらっしゃるかと思います。重量4キロとドリーとしての安定感を持たすためには必要なのですが、一箇所を持つと、畳んでもばらけるし、かといって広げたままだと大きすぎる。片手で持つにはちょっぴり厳しいので小脇にかかえて運んでいた方も多いのでは?
DL-5RBになりハンドルが付いただけではなく折りたたんだときもロックできるように変更されています。また広げた際も今までは一箇所のロックでしたが今回は2箇所につまみが付いており、前モデルよりもさらにしっかり固定して使えるように変更されています。持ち運ぶときもガチャガチャぶつからず片手で運べて大幅に機動性がアップしていました。
次に変更点[2]です。
ザハトラーさんVINTENさんの三脚に対応しました!
三脚はザハトラーとVINTENだけど純正ドリーはお値段がするし・・・・・・、と無理やりラバーを引っ掛けて使っていたかたもいらっしゃるかもしれません(ゴムの劣化につながるのでおすすめしません)。今回の改良で取り付け位置が三箇所になり他社三脚にも対応するようになりました。
メーカーさんの仕様書 にわかりやすく記載があります。
取り付け取り外しに関しては、ラバーを強めに引っ張りビスから取り外します。少し力が必要ですがしっかりねじ込んで固定してください(コツをつかめば結構スピーディに位置を変えれます)。
LIBECさん純正の RT30B / RT40RB / RT50B / RT50C、またザハトラーさんVINTENさんは75mmタイプの三脚に対応しています。メーカーサイトにて検証済みのものは随時更新されるそうです。100mmは使えるものもあるけれど基本的には推奨しないとのこと。
今回はビデキンにあるデモ機につけてみます。
まずはLIBECさんのRS-250RM。
初期位置がLIBECさん用なのでなんの問題もなくご使用いただけます。
つぎにACEBILさんのJ-805MX。
フェザージブキット(CMJ-1 KIT)のセットになっている脚です。こちらも初期位置で問題なく使用できました。
つぎに今回から対応したザハトラーさんのACE L MSです。
ぴったりですね。ACE Mのシリーズ、FSBシリーズの75mm用でも取り付け部分は同じなので問題ありませんね。
次にこちらも今回から対応のVINTENさんVB3-AP2Mです。
今まで一番対応が難しかった長さだと思いますがぴったりつけることができました。これでゴムを劣化させずに使っていただけますね。
最後にマンフロットさんの504HD-546BK。
こちらもばっちりつきます。
ただし旧型の100mm二段脚だとこんなかんじになりますので、あまりおすすめできません。
ラバーのパーツ供給もございますのでもし劣化してしまっても交換可能です。1個が¥1000(税別)取り寄せ送料が別途必要です。
またケースは専用は出ていませんがDL-8についているケースが少し大きめですが入るそうです。¥15.000(税別)、こちらは準商品扱いとのこと。
他にこんな三脚が乗るか試してみたいという方は京都店に展示がありますのでお試しください!
ビデキンちゃんが行く ~Zunow PLマウントアダプター PL-E kit編~
Zunowさんから、PLマウントレンズをSONY FS7に使用するためのマウントアダプターが発売されました。
単純にPLマウントレンズからEマウントにするアダプターや、バックフォーカスをEマウントにあわせた製品はすでに多数でていますが、このPL-Ekitの特徴はバックフォーカスが連続可変で調節できるところです。
画期的な製品なのですがいまいちピンと来ないビデキンちゃんが詳しい方に聞いてきました。
今までENGカメラを使っているおじさまたちにはB4マウントレンズのフランジバック(バックフォーカス)調整がおなじみだとおもいます。その機構にそっくりなこのアダプターは今までの肩のせカメラのレンズと同じ様にできるので使い勝手がばっちり。
現在市販されているPLマウントアダプターは、バックフォーカスも調整できます!と謳っていますが、実際には間に挟むピントワッシャー(シム)の交換で調節するものが多いのが現状ですよね。(できないものもありますが……)
その場合、レンズ修理のプロフェッショナルが調整しても最低3回くらいは開けたり閉めたりしなければならないそうです。それを撮影現場でいざやってみよう!というのは到底できませんよね。
デジタルシネマ以前のPLマウントレンズには、バックフォーカス調整機構は付いていません。フィルムカメラでは、今のカメラのようにリアルタイムで撮影した画像を見ることが出来なかったからです。なのでバックフォーカスを使用するカメラに、一対一でそれぞれに合わせたレンズを使用してラボで厳密に調整していました。
しかし、いくら室内で調整しても日中の温度変化などでレンズやマウントの金属が伸び縮みするので狂ってしまいます。
現在のスーパー35mm(FS7等)の撮影環境では、ケーブルを繋いでしまえば、お手軽にフルHDのモニターが使えます。その場で見ながら確認出来るので調整機構を持ったこのマウントアダプターはとても便利ですね。
単焦点レンズの場合、レンズのフォーカススケールを無限にしておいて、実際に遠くのものを撮影して、本機のバックフォーカスのロックノブを緩めてバックフォーカスリングをまわしてピントが合うようにするだけでOK。
このとき当然レンズが前後するので、ロッドサポートのノブも緩めておいて、バックフォーカスが取れてからロックしてください。ズームレンズの場合はENGレンズと同じ使い方でOK。
詳しく教えていただいた方いわく、
「フリーランスで仕事をしているとこの製品は非常に心強い。現場で機材を渡されたり、別々にレンタル会社から借りてきたカメラやレンズを支給されることもあるからです。」とのこと。
この製品は15mmのロッド上で使うようにロッドサポートがキットになっています。
けれど必要のない場合は本体だけでも販売するそうです。また、全く同様の機能を持った、MFTマウントカメラ用のPL-MFTアダプターも同価格で発売されていますので、MFTカメラユーザーさんはこちらをどうぞ。
・ PL-E kit(15mmロッド用サポート付) : 90,000円(税別)
・ 本体のみ : 75,000円(税別)
ビデキンちゃんが行く ~AG-DVX200編~
InterBeeで発表され注目を浴びていた、PANASONICさんの「AG-DVX200」の勉強会に参加してきました!
まず目を引くのがボディ側面の赤色。
メーカーさんいわく「賛否両論あると思いますが、一発でDVX200だ!この人4Kで撮ってるな。」とそのインパクトを大事にしてこのクリムゾンレッドカラーになったそうです。
たしかにすごく目を引きますし、側面以外のカーボン調ボディと合間って格好いいですね。
グリップベルトの縫い糸も赤色のステッチでこだわりが良くわかります。(今は試作機なのでボディの柄はシールですが販売される時はちゃんと金型で柄を入れるそうです)
車みたいにカラーを選べないか聞いてみましたがそれは販売されないとのことでちょっぴり残念。
またカメラ本体の重さも付属のバッテリー(VW-VBD58)を付けて大体3.1kg程。バッテリーがカメラ本体に収納でき、グリップの向きも考慮されているのでホールド感はばっちりでした。
付属のバッテリーを収納している時に結構余裕があるな?と思っていましたが大容量のバッテリーを発売予定しているのでそのためだそうです。(付属のバッテリーでも4K収録で150分ほど記録できます)
サイズとしてはKATAさんのCC193にマイク付きで入るくらいの大きさ。
モニターは4.3インチモニター。ビューファインダーは有機EL0.39型(177万ドット)と、どちらも大きく非常にきれいでとても見やすくなっています。
使用の際は、VF、液晶モニターから選べます。ただし有機EL焼きつき防止のためVFにはセンサー内蔵で、同時に使用したいときも人の影などで液晶モニターが消えてしまいます。(SONYさんのPXW-X70と同じ仕様ですね)
また液晶はタッチパネル方式で撮影中にも簡単に操作できます。
次に、目玉になっている4/3型大判センサー。レンズ一体型カムコーダーとしては世界初の大判センサーとなっています。MFT規格の一眼をお使いの方にはおなじみの規格ですね。
35mm換算で4K30p時29.5-384.9mmF2.8-4.5(60p時は37mm~)、ズームは光学13倍。PanasonicさんのGH4のMOSと同じなので被写界深度が浅めの使い方もしていただけるとのこと。
また前玉径は72mmと一般的なサイズなのでワイコン(ZUNOW製WCX-80等)やレンズフィルターも使えます。メーカーさん純正のワイコンも開発予定とのことです。
映像や出力関係はまだまだ開発途中とのことでしたが、録画中は4K60P、映像の出力は30Pまでだそうです。
記録方式はMOV、MP4、AVCHD。HC-X1000やGH4と同じ形式です。
またメモリーカードスロットが2つあり4KとHDの同時記録ができます。ただし、4K60pの同時収録はできず30p記録になります。
またAFも結構しっかりきいてくれていました。
フォーカスの合う速度もじんわり合うものから一気にズバッっと合うものまで変更可能とのこと。途中までマニュアルフォーカスで最後のピントだけオートフォーカスにできるモードも搭載しています。4Kになるとフォーカスもシビアになってくるためこういった機能はありがたいですね。
本体もずっと説明いただいてる間つけっぱなしでしたがあまり熱くならず、消費電力は未定とのことですが思ったより少なそうな予感。
まだまだ開発途中の変更される場合もあるかもしれませんが、今後販売モデルになったときが楽しみな製品でした。
価格は60万円位、発売は秋を予定しております。
ビデキンちゃんが行く ~GY-LS300CH編~
今回はJVCさん待望の、レンズ交換式4Kカメラ「GY-LS300CH」をお試ししました。どんどん他社さんから4Kカメラが発売されている中、ビデキンちゃんが気になった所をピックアップしていきます。
まずはボディについてみていきましょう。
レンズをはずした状態だと非常にコンパクト。同時期にでたJVCさんのGY-HM200のフードが無い時とおなじくらいです。
上部のハンドルも簡単に取り外しできるので、内蔵マイクを使ってお手軽に運用も可能です。
横幅はサーボズームがあり意外とふっくらしています。
本体重量もバッテリー(SSL-JVC50)を取り付けて1.7kgと大体GY-HM200と同じくらい。グリップ部分も手のひらに密着する形になっているので男性なら長時間のハンドヘルド運用も可能ですね。
ひとつ気になったポイントは左手で下からレンズを操作する場合NDフィルターのダイヤルがぐりぐり手のひらに当たるところです。
ダイヤルは硬めなので間違ってフィルターが入ってしまうことはないのですがツボを押されている感じ。
逆に上から持った場合は、NDフィルターダイヤルの後ろにちょっと空間をあけて初期設定AWBのダイヤルとボタンがあり、親指の先で押す形になるのでちょっぴり押しにくいです。
AWBを良く使われる方はアサイン9番から変更しなくてはいけないかも。
本体にはプログレッシブ対応の3G-SDIとHDMI出力を装備しています。
ただし4Kの出力はHDMIからだけなのでご注意を!
また他社さんの最近出ているPXW-FS7やEOS C100等レンズ交換式のカメラに比べてボディが長めです。なのでレンズによっては後ろ側がどうしても軽くなるため三脚など乗せる際にはスライド幅があるものがお勧め。特に長玉のズームレンズを使われる方はスライドタイプがお勧めです。
そのかわり重心高は高くないので小型の三脚でも乗りそうですね。ACEBILさんのi-605RMならスライドできるのでOKですがTH-650HDはワンタッチタイプなので難しいです。(ALXならOKです)
次はメインの4K記録についてです。
記録フォーマットは4Kの場合3840×2160のフレームレート30p/25p/24p。ビットレートは150Mbps。4Kを記録される場合はUHS-I U3以上のSDカードが必要です。
ただし記録形式がQuickTimeのため編集の際は、直接取り込めるのはFinalCutPro(4K対応はバージョンによります)。Windows対応のそのほかの編集ソフトの場合、一旦変換が必要になってきます。
また記録モードはバックアップとデュアル記録が可能。バックアップ記録はAスロット、Bスロット共に4K、HD、SDで記録します。RECボタンの振り分けでAは撮りたいところだけ、Bはバックアップと設定できます。
デュアル記録はAスロットHD+BスロットWEB配信に適した解像度が選べます。WEBは形式がQuickTime解像度「960×540/720×480/720×480/480×270」かAVCHD解像度「1440×1080/720×480/720×576」から選択することができます。ただし選んだ形式によりフレームレートは固定されます。
なのでAで4K、BはHDはできません。ABで違う記録方式をとりたい場合はHDからになってしまうようです。
もちろんシリーズ記録(リレー記録)も可能。また特殊な記録方法として、
・記録開始時点より設定した秒数より前の映像を記録する「プリレック」
・分割されたクリップを一つのクリップとしてまとめる「クリップコンティニュアスレック」
・通常通り記録したフレームごとにクリップが分かれる「フレームレック」
・設定したフレーム数を記録停止するまでのクリップとしてまとめる「インターバルレック」(音声は記録されません)
と多数の記録方法があります。
そしてLS300の目玉といってもいいVSM(バリアブルスキャンマッピング)とは何ぞ?とお思いの方も多いと思いますので触れたいと思います。
端的にいうとケラレ問題を解決するための画期的なシステムなのです。4K対応Super35mm CMOSセンサー(総画素数約1,350万画素)を搭載しているため、本来であればSuper35mm対応でないレンズはケラレてしまいます。今までのMFTレンズ資産を生かすためにケラレない範囲まで本体で画角を狭めてくれるんです。もちろんマウントアダプターを使えばMFT以外のレンズにも対応できます。
たとえばPanasonicさんのLUMIX G VARIO HD 14-140mm/F4.0-5.8 ASPH./MEGA O.I.S(オートは使えませんでした)。
100%だとこんな感じ。やはり結構ケラレてしまいます。
それを%を下げていくとこんな感じに!(フォトモードが無いので見づらいですがご容赦を)
KOWAさんの「PROMINAR 25mm F1.8」で試してみるとこんなかんじ。(このレンズ、ボケ味が非常にすばらしいので別の機会にレビューしたいと思います。)
なのでオールドレンズでも%を下げてHD録画であればケラレることなく使えちゃうんです。(ただし切り取っている様な状態なので%を下げた場合、ワイド画角がよりテレサイド側に移ります。)またレンズによりAF機能、手振れ補正機能も本体から設定していただけます。
業務機で4Kの撮れるレンズ交換式カメラとしては価格もお手ごろです。他社さんのように専用の高い記録メディアを購入する必要もないので初期費用も抑えられます。レンズを今から揃えられる方にもMFTレンズはレンズの種類も多くコンパクトなのでお勧めの一台ですね。
メーカーさん推奨レンズは4つほどなので、このレンズ使えるか試したい!という方はお気軽にビデキンのデモ機でお試しくださいね。
今なら、GY-LS300CH を当サイトでご購入の際に「ビデキンちゃんが行くを見た」と書いてくれた方には、JVCロゴ入りステンレスマグボトルをプレゼント中です。