もう一歩寄りたいとか、より広い範囲をカバーしたいときワイコンは強い味方になってくれます。以前はカメラメーカーが純正品として用意していることが多かったのですが、広角側が30mm(35mmカメラ換算)を切るレンズを搭載しているカメラでは、カメラメーカー側が用意することはあまりなくなってきました。そうはいっても現場によっては必要になるわけで、サードパーティー製のワイコンが気になります。今回はソニーのPXW-X70やPXW-Z150などの4Kカメラのほか、HXR-NX3やHXR-NX5R、PMW-160などのHDカメラに適合する0.8倍 4K対応ワイドコンバージョンレンズ Zunow WFK-85を取り上げたいと思います。
ワイドコンバージョンレンズWFK-85本体のほか、62-72mmステップダウンリングや角型ラバーフード、レンズポーチがセットになっています。
ZunowのワイコンWFK-85はHXR-NX5RやPXW-Z100、PMW-160に適合した72mmフィルター径ですが、62mmフィルター径のPXW-X70、PXW-Z150にも装着できるように62-72mmのステップダウンリングがセットになっているほか、角型ラバーフード、レンズポーチがセットになっています。ちなみにフードには105mmのフィルターを装着できるようになっています。
純正のワイドコンバージョンレンズとしてPXW-Z150のカタログなどにはWFK-85と同じ0.8倍のVCL-HG0872Kが載っていますが、4x5角型フィルターを装着するフードとのセットになっており、HD時代の設計のワイコンです。また、質量もレンズ単体で550gとなっており、60gほど重く、フードなどをセットすると手持ちで手軽に撮影するには少々難がありそうです。なので、4K対応のWFK-85は貴重といえますね。
外観的には結構一体感があって、ちょっと見ではワイコンを装着しているようには見えませんね。
今回は使ったカメラはフィルター径72mmのHXR-NX5Rなので、ワイコンは直接装着できました。
さて今日はとてもお天気がよかったので、東京ショールームの裏手にある新宿御苑にお邪魔してじっくりテストして来ました。今回は使ったカメラは新製品のHDカメラHXR-NX5Rで、ワイコンは直接装着することができます。外観的には結構一体感があって、ちょっと見ではワイコンを装着しているようには見えませんね。ラバーフードは撮影に夢中になって少しくらい何かに当たっても安心です。この状態でもレンズ側が重たくなってバランスが悪くなるようなこともほとんどありませんでした。フードがラバータイプでワイコンにかぶさるようになっているので、全長が抑えられているのとワイコン自体の質量も500gを切っているからだと思います。
まずは、一般的な風景をワイド側いっぱいで撮影してみましょう。ありがちな歪曲や色のにじみも感じられませんでしたし、周辺の解像度や流れもないと言っていいでしょう。近影から遠景まで、連続してその傾向は変わっていないようです。
ワイコンなし
ワイコンあり:両脇にある木々の葉や芝生など細かいとことまできちんと描写していますね。
ワイコンなし
ワイコンあり:近影の落ち葉やの描写や画面全体の歪曲なども感じられませんでした。
今度はテレ側いっぱいにしたところです。本体のレンズ性能にもかかってきますが、色にじみや二線ボケなどが出やすいとことです。クレーンやビルを撮影してみましたが、なかなか優秀です。クレーンや手すりの鉄骨もしっかりと描写していますね。ビルの遠景撮影でも同様で、歪曲などもほとんどありませんでした。ということで撮影中ワイコンを付けていることを時々忘れるほどでした。
ワイコンなし
ワイコンあり:クレーンやビルを撮影してみましたが、色にじみや二線ボケなども見当たりませんでした。
ワイコンなし
ワイコンあり:ビルの遠景撮影でも同様で、歪曲などもほとんどありませんでした。
最後は逆光での撮影です。ワイコンと本体のレンズとの間で反射があるとレンズフレアやゴーストによるコントラスト低下や本体レンズ以外のゴーストがでることがあります。ギリギリゴーストが出ない逆光と極端に出ている状態で撮影してみました。本体レンズで撮影した時とワイコン装着時とではその差はほどんどないといっていいでしょう。
ワイコンなし
ワイコンあり:ギリギリゴーストが出ない逆光ですが、コントラスト低下やフレアも見当たりませんでした。
ワイコンなし
ワイコンあり:極端にゴーストが出ている状態ですが、本体レンズだけの時とかわりませんでした。
ワイコンはフィルター径さえ合えば装着可能ですが、4Kとなるとその描写が気になるところです。また、4K対応のカメラではHDの時代のカメラに比べてセンサーのサイズも大きくなっていることが多いので、HD時代のワイコンではケラレなど不都合が生じることがあります。せっかく4Kで撮影するのですから、4Kの画質を生かした撮影をしたいですね。
注意事項としまして、今回は手振れOFFで撮影しましたが、HXR-NX5Rでご使用の際に手振れをONにする場合は、アクティブモードでのご使用に限ります。スタンダードモードでは若干のケラれが発生することがあるのでご注意ください。
ビデオ近畿ではこのZunow WFK-85を特価で提供中です。東京ショールームにはデモ機も用意していますので、ぜひ手にとって見てくださいね。(各店に移動することもあるので前もってご連絡ください!)
Zunow 4K対応ワイドコンバージョンレンズ WFK-85
- ラバーフード(105mmフィルター装着可能)
- レンズポーチポーチ
- 72→62ステップダウンリング(ドライバー付)
- 重量:490g
- 価格:79000円(税抜)